出産後の看護師が職場復帰する方法

出産後の看護師が職場復帰することは容易ではない。職場に留まり産休を取って職場復帰を想定していた看護師であっても、休んでいる間に現場で駆使される医療技術についていけなくなり、復職を躊躇うことも少なくない。
ましてや、出産のため一旦離職した看護師は、復職先を探す上で手間がかかる。出産後は子育てに時間を取られるので、フルに勤務することは難しい。そのため、出産でブランクが生じた看護師を好んで採用する医療機関が多いとはいえないだろう。

こうした背景から、出産後に職場復帰を望んでいたのにも関わらず、希望を果たせず、潜在看護師になってしまうケースも珍しくない。
潜在看護師は看護師の有資格者でありながら、医療現場から離れてしまった人材を指す。
医療現場の慢性的看護師不足は深刻であり、医療機関の多くは常に看護師を募集している。出産後の看護師に即戦力として活躍できるスキルがあれば、育児と仕事のワークライフバランスの必要性があったとしても、医療機関に採用される余地はあるだろう。

こうした状況を改善するため、日本看護協会は、再教育支援や再就労支援といったサポート活動を行っている。
協会の支援活動に参加すると、研修で最新の医療スキルを学べる上、最寄りの医療施設で実習を経験できる。出産後で子育てが忙しい看護師も、自宅近くの病院で実習し、即戦力として現場で活躍できるスキルを身につけて、自分に適した職場を紹介してもらうことができる。

出産に要する休暇期間は、医療技術の致命的な遅れを生じるほど長期のブランクとはいえない。そのため、こうした支援を受ければ、医療現場に欠かせない看護師として復帰を果たすことは十分可能だ。